「防火地域」「準防火地域」ってなに?住宅の疑問をやさしく解説
2019年10月25日
「防火地域」「準防火地域」という言葉を耳にしたことはありませんか?
新築や建替えなど、家を建てる際に一定の条件を満たす必要がある地域として定められているのが「防火地域」「準防火地域」です。
では、どんな場所が指定されていて、どんな条件を満たす必要があるのでしょうか。
今回は「防火地域」「準防火地域」について、わかりやすく解説いたします。
※2019年6月末に建築基準法の改正がありました。
「防火地域」「準防火地域」とは?
都市計画法第9条20項に、「防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。」と定められています。
「防火地域」は主に駅周辺や繁華街といった人通りや交通量が多く火災が起きた際に影響の大きい地域や、災害時に緊急車両が通る幹線道路沿いが指定されます。
上図ピンクの箇所が防火地域のイメージです。
「準防火地域」は防火地域の周りを囲むように建つ住宅密集地域が指定されるのが一般的です。
上図水色の箇所が準防火地域のイメージです。
どんな制限があるの?
防火地域
防火地域に建つ階数が3(地下階も含む)以上の建物、延床面積が100㎡を超える建物は「耐火建築物」「耐火建築物と同等の延焼防止機能が確保された建築物」としなければなりません。
また、上記以外の建物も「準耐火建築物」「準耐火建築物と同等の延焼防止機能が確保された建築物」にする必要があります。
「耐火建築物」「準耐火建築物」とは、その主要構造部が耐火性能もしくは準耐火性能を満たし、延焼の恐れがある窓やドアに防火戸などで火災を遮る機能を持つ建物です。
2019年6月末の法改正で、「同等の延焼防止機能が確保された建築物」も防火地域に建てられることになりました。
これにより、法改正前は建築できなかった木造建築も、性能を満たしていれば建てることが可能となりました。
防火地域内にある「耐火建築物」「準耐火建築物」「同等の延焼防止機能が確保された建築物」は、建ぺい率の制限が10%緩和されます。
準防火地域
防火地域に比べればゆるやかであるものの、様々な制限がかかります。
まず、隣の敷地や道路から、一定の距離を延焼の恐れがある範囲とし、その外側にある外壁や軒裏を「防火構造」もしくは「防火構造と同等以上の延焼防止機能が確保された構造」にする必要があります。
「延焼の恐れがある範囲」は、道路の中心線、隣の敷地の境界線から、1階部分は3m以下、2階部分は5m以下の距離と定められています。
上の図ではピンクの範囲内が対象となります。
この範囲にある窓やドアは、防火戸や防火窓などの防火構造にする必要があります。
また、4階建て以上もしくは1500㎡を超える建物は「耐火建築物」もしくは「耐火建築物と同等の延焼防止機能が確保された建築物」、
3階建て以上もしくは500㎡を超える建物は「準耐火建築物」もしくは「準耐火建築物と同等の延焼防止機能が確保された建築物」にする必要があります。
2019年の法改正により、「同等の延焼防止機能が確保された建築物」も認められるようになり、準防火地域の「準耐火建築物」および「準耐火建築物と同等の延焼防止機能が確保された建築物」も10%の建ぺい率の制限緩和が適用されるようになりました。
どうやって調べるの?
土地の購入や建て替えをご検討の地域が「防火地域」や「準防火地域」にあたるのかどうかは、所轄行政の窓口や、地域によっては所轄行政のホームページで調べることができます。
建物が地域をまたいでいる場合は、制限が最も厳しい地域の規制が適用されます。
まとめ
今回は「防火地域」「準防火地域」について、解説いたしました。
一般的に住宅密集地は準防火地域に指定されていることが多く、防火設備に費用がかかります。
しかし、耐火性能が上がることで火災保険が安くなるなどのメリットもあります。
土地のことを知ることで、その地域にどんな建物が建てられるのか、どのぐらい費用がかかるのかが変わってきます。
購入や建て替えの判断基準にもできますので、知っていて損はない知識ですね。
当社の注文住宅なら、その土地の環境とお客様のライフスタイルに合わせたプランを考えることが可能です。
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