今回は幼児2人のお母さんでもある30代の女性のライター、岡嶋一人さんの記事をご紹介いたします。

間取り

“リビング横の和室”は必要か?みんなはどうやって使ってる?

幼児2人を育てるわが家は、25年物の賃貸マンション。古いマンションにつきものと言ってもいいリビング横の和室が3LDKの1つになっています。新築やリノベされた物件の間取りを見ていると(私は間取りマニア)、和室が4帖未満などすごく小さくなっていたり、そもそもなかったりします。「リビング近くになぜ和室がいるの?」「子育て世帯は和室をどうやって使ってるの?」という個人的な疑問を解決するために、リビング横の和室について迫ってみたいと思います。めっちゃ知りたいけどあまり聞く機会のない、よそのお家の使い方です。

そもそもなぜある?リビング横の和室

なぜ、中古のマンション物件を中心にリビング横に和室があるのでしょう?新しい物件でも、リビング横以外はフローリングなのに、頑なにリビング横にだけ和室があると言う間取りも多いです。ぐるっとリビングに囲まれて、小さな和室がポツンと存在する物件もあります。なぜ?なぜなぜ?どうしてそこまで和室を守る?実は私、一人暮らしの物件を探していた10年くらい前から気になっていました。

「子ども小さい時は畳がいいからじゃない?」
「日本人の心を忘れないためにでしょ!」
「着物着付けるため?いや、でも、そんな人限られているか・・・」
「仏壇置けるようにだ!」

と、周囲に聞いてみても、これといった回答は見つからず。今回は、意を決して(大げさ!)調べてみました!

色々とネット検索をした結果、結論はなんと「人それぞれ」でした。肩透かしな答えでごめんなさい。しかし、みんな実に様々な期待をリビング横の和室に寄せています。特に、注文住宅を検討している人では議論が盛ん。“リビング横和室のメリット”とも言えるみんなの和室に寄せる想いを見てみましょう。

リビング横和室メリット

  • 子どもが小さいうちは畳で育児がしやすい
  • 妊婦、乳幼児、高齢者は階段が上りにくいので、一時的な寝室に使える
  • 書斎に使いやすい
  • 畳の上でゴロゴロできる
  • 来客用の客間や寝室として使いやすい
  • アイロンがけや洗濯物を畳むのに使いやすい
  • 和室につきものの押入れが収納として一番便利

圧倒的に育児のしやすさをメリットとして挙げる声が多いです。実際に私も乳幼児2人を和室のある部屋で育てていますが、畳の安心感は半端ない。安心感を分析するとつまるところは、「子どもが怪我をしにくい」に尽きるでしょう。
育児未経験の人にはピンとこないかもしれませんが、乳幼児って本当によくこける。「なんでそこでこける?」と言うところでこける。歩いててもこけるし、乳児などは立ったと思ってはこけ、座ったなと思ってもこけるのです。その度に親はヒヤヒヤ。頭を床に強打することも珍しくないので、マットを敷いたり転倒防止のリュックを背負わしたり、試行錯誤を繰り返します。「今日は、スライディングでわが子の頭キャッチしたで!」なんて、すご技を自慢するママ友まで現れる始末。
この育児の過酷さを経験すると、畳のありがたさが身にしみるわけです。畳って、絶妙な柔らかさでできていると思いませんか?大人が寝転びたくなるくらいですから、乳幼児育児の親にとっては楽園です。多少頭を打ち付けても、「畳だから多少のことは大丈夫!」と安心していられる。(あくまでも多少。過信しすぎは要注意!)
と、リビング横和室に賛成派の意見を聞いていると、反対派の意見にも耳を傾けたくなるのが人のサガ。では以下でリビング横和室のデメリットを見てみましょう。

リビング横和室デメリット

  • フローリングよりも劣化が早いため修繕のための手間とコストがかかる
  • 親の介護は畳に布団より洋室にベッドの方が適している
  • ペットとの生活は畳よりフローリングの方が適している
  • 年々リビング横和室を望まない人が増えているので、物件としての価値が下がりそう

確かに、「年々リビング横和室を望まない人が増えている」と言う意見は、私個人の肌感覚としても察知しているところです。2017年に注文住宅を建てた私の妹も、「子どもが大きくなったら和室はいらなくなるから、そのスペースに収納を作る」と言って、実際に和室部分を3つに区切り、クローゼット・玄関横収納・リビング収納として使っています。確かに収納にしておくと、リビングや玄関に普段使わないものが溢れないので、いつ行ってもスッキリしています。
他にも、和室スペースをリビングにすることで、家族が最も集まる部屋が広くなるというメリットもあるでしょう。
畳の劣化やペットとの相性を気にする声も聞かれましたが、築40年以上を誇るザ・古民家な実家で、ペットと畳に囲まれて暮らした私にはピンときません。劣化に関しては、畳の張り替えは一度も行っていませんが、フローリングは築30年くらいで一度、歩いた時の“たゆみ”が気になったので張り替えました。ペット(室内犬のトイプー)とも畳に弊害を感じることなく楽しく暮らしています。
実家では、畳の部屋での介護も2度ほど経験しています。確かに介護が長時間かつ長期にわたる場合はベッドが好ましいと思います。しかし、畳にベッドを置けないか?と問われると答えはノー。畳にベッドの足型が着くなどの弊害はあるかもしれませんが、デメリットとしてのレベルは低くなるでしょう。(実家では、型が着いて困ったことはない)

リビング横の和室、みんなはどう使ってる?

2人育児をしているとママ友が少しずつ増えていきます。育児中は出かける場所が限られるので、ママ友宅に集って遊ぶことがよくありますが、間取りマニアな私はどの部屋をどんな風に使っているかチェックする癖があります。(めっちゃやっかいな奴ですね)ここでは、3名の和室を持つママに登場してもらい、お部屋の使い方をのぞいてみましょう。

パターン①育児の中心としての使い方

子ども年齢:3歳と1歳
ママ:ワンオペ気味のワーママ
間取り:3LDK

パパが3LDKの1部屋を自室として利用しているこちらのお家。パパは一人、自室で寝てしまうので、ママは和室を子どもとの寝室として利用しています。おもちゃが和室に備え付けられた棚に収納されているため、必然的に1日の多くの時間を、子どもたちは和室で過ごすことになります。子どもにつられてママも和室にいることが増え、育児の基盤として和室が機能しています。地べたに座り込んでも抵抗がなく、なにより安全な和室での育児を快適に感じているようです。

パターン②子どもの遊び場としての使い方

子ども年齢:3歳と2歳と0歳
ママ:ワーママ
間取り:3LDK

こちらのお家では、寝室を和室以外の部屋に作り家族全員で寝ています。それでも、和室部分は子どもたちと日中を過ごす中心的な場所となっています。理由はおもちゃを置いているから。リビングはテレビとソファー、それに食事を囲むダイニングと共有になっているので、可能な限りおもちゃが散らからないようにしたいのです。必然的にリビング横の和室はおもちゃ置き兼子どもたちの遊び場となります。併設されていることが多い押入れも、大容量の収納力があるので、布団や子どもの衣類・グッズ、遊ばないおもちゃなどが収納できて使いやすいそうです。先述の通り、畳と小さな子どもとの相性は抜群にいいため、ママも使いやすいと感じているようです。

パターン③物置兼来客対応としての使い方

子ども年齢:12歳・10歳・8歳(3兄弟)
ママ:専業主婦
間取り:3LDK

これまでご紹介した家庭とは少し異なり、子どもたちは小学生以上とかなり成長しています。子育て中は子どもとの部屋として使われることが多い和室でしたが、子どもが成長したらどうなるのか?と疑問に思い見せてもらうことに。
リビング横の和室は、リビングにいる家族との距離が近すぎると言う理由から子どもたちには不評とのこと。年頃の子どもたちは、女性であるママとの2人部屋も嫌がるので、必然的にママが一人で使うことに。残りの2部屋を上の2人のお兄ちゃんが、残りの1部屋をパパと下の子が使っているそうです。ちなみに、ママは和室の一人部屋をとっても快適に感じているとのことでした。子どもたちがこぞって和室を嫌がったのは、和室の形状がどうということではないようです。大きな理由は、リビングと和室を仕切る扉が薄い襖で仕切られているだけなので、室内の音が聞こえやすくプライバシーが守られないと言うのが理由のようでした。

結論、リビング横に和室は必要か?

リビング横に和室はいるのか?この答え、個人的にはイエスです。今は子育て中の身であるため、100点に近いレベルで和室の恩恵を被っています。先ほどご紹介した通り、和室の魅力は子どもが大きくなった後でも、親が自分の部屋として使うなどして享受できる模様。和の心を堪能できること、それ以上の機能的メリットがあること、そしてやはり子育て中には重宝すること。あらゆる角度から考えて、私はリビング横の和室に大賛成です!これからも知り合いのお宅の和室事情を、要チェックしていきます。

※本記事は、2019年8月2日時点の情報になります。

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