インテリア家づくりについて

通り土間の魅力、人気の理由とは?

こんにちは。設計担当のFです。

最近、通り土間のある間取りの人気が高まっています。
伝統的な日本家屋で取り入れられてきた通り土間。
今回は、今の暮らしでの活用ポイントをご紹介していきます!

私が感じる土間の魅力のキーワードは“拡張”。
通り土間によって玄関やリビングが延長されることで、利便性やくつろぎ、コミュニケーションがグンと広がります。

そんな通り土間の魅力を当社の施工事例とともにお伝えしていきます!

通り土間とは?

まず「土間」についてですが、家の中で床を張らずに、土足のまま歩けるように設けられた空間を指します。
一般的には玄関の三和土(たたき)と同じ高さで、それよりも高い位置にある居室と区別されます。


昔の民家では、台所が土間に設けられていることが一般的でした。
また、農家では農作業の準備や野菜の保管のために土間が造られていました。


そして、「通り土間」とは、主に玄関から続く廊下状の土間のことで、土間に面した各部屋に上がることができます。
身近なところでは、京都の町家などでよく見られる様式ですね。

●通り土間のメリット

  • 内と外をつなぐ動線としての利便性
  • 光や風を内に取り込む開放感とくつろぎ
  • 家族や来客とのコミュニケーションの場

その他にも、夏の暑さの軽減に役立ち、住まい全体の空気の循環を促す点などが挙げられます。

伝統的に採用されてきた通り土間には、日本人の知恵が詰まっているといえるでしょう。

そんな通り土間を今の暮らしに取り入れるポイントを、当社の施工事例とともにご紹介していきます!

玄関の延長として使って、動線UP!

玄関が延長されたようなイメージで、主に動線の面でメリットがあります。

●動線がよい

室内とつながっている通り土間のどこからでも部屋に上がることが可能。
帰宅や外出時の動きの自由度が大幅にアップし、心のゆとりにもつながります!


こちらの例のように、玄関から二方向に分けて出入口を設けるパターンも。


玄関は通り土間とつながりつつ独立していますので、来客と家族の動線を分けることができ、プライバシーを確保しやすい、というメリットがあります。

●荷物が運び込みやすい

リビングなどに直接運び入れられるので、買い物や宅配の大きな荷物の出し入れもラクラク。

小さいお子さまがおられるご家庭ではベビーカーのまま出入りできるのも便利です。
お子さまが寝てしまったまま帰宅した時にも助かりますね。

出張や旅行が多い方も、リビングでスーツケースに荷物の準備をしたら、そのまま土間へ出すことができますよ。

●荷物などの置き場にも

内と外をつなぐスペースである土間は、内と外をつなぐ荷物の置き場に便利!
ベビーカーや自転車、趣味や外遊びの道具などを置いておけるほか、宅配便で大型の荷物が届いた時にもちょい置きしておけます。

リビングの延長として使って、くつろぎ感UP!

通り土間によって、延長されたようなイメージのリビングになります。
開放感が生まれ、くつろぎを感じられる空間になることがメリットです。

●光や風を取り込める開放感


見てください!このリビングの明るさ。

光を通す引き戸で明るさとプライバシーを両立。
過ごしやすい季節には風を取り込みつつ、夏は暑さを、冬は寒さをやわらげてくれるので、冷暖房効率の面でもメリットを期待できます。

また、リビングと外との間に通り土間があることで、外の気配が伝わり過ぎず、落ち着いて過ごせるのもポイント。
通り土間がさまざまな意味で、やさしい緩衝材のようなはたらきを発揮しているわけですね。


一方、このように通り土間が外に面していない間取りにもメリットがあります。
より室内との一体感があり、ほぼ部屋の一部の感覚。

完全にプライベートな空間として、落ち着いたくつろぎをもたらします。
大きな壁面をアートコーナーや飾る収納として活用し、ご家族のギャラリーのような雰囲気にするのも素敵ですね。


ちなみにこの間取りでは、玄関から一直線に通り土間が伸びていて、玄関から入ってきた時の開放感が格別ですよ。
玄関からリビングへの廊下を設けず、通り土間にすることでスペースを有効に活用できるメリットもあります。

通り土間+リビング階段で、コミュニケーションUP!

先ほどの間取りでもう一つ特長的な点が、通り土間の奥にリビング階段があることです。

家族のコミュニケーションを促してくれることから人気の、リビング階段(リビングイン階段)。
通り土間との相乗効果で内と外、1階と2階がゆるやかにつながります。

外出や帰宅などの家族の動きも把握しやすいですし、在宅中も家族の気配が伝わりやすいですよね。
2階への帰宅動線もよいので、リビングに荷物が散らかりにくいのもうれしいポイントです。

ホールとして使って、コミュニケーションUP!

最後は通り土間の一部を広く取り、リビングと一体空間にすることで、ホールとして活用している例です。

ご注目いただきたいのが、天井部分。分かりますでしょうか。
なんと、照明一体型のプロジェクタを設置し、写真右側の壁面をおうちシアターにしているんです。

リビングのソファからも観られますし、来客時にはリビングとホール全体を使って鑑賞会をするのも楽しそうですね。
また、子どもたちとの映画観賞会やゲーム大会なども楽しそうです♪

玄関を入ってダイニング、リビングが通り土間とつながっていますので、LDKと土間全体を大きな空間として使えます。
開放感とゆったりとしたくつろぎ感に、おうちシアターの楽しい仕掛けが合わさって、暮らしの夢が広がります!


通り土間は広さと距離があるので、小さなお子さんなら三輪車やキックバイク(ペダルなし自転車)でも遊べそう!
おもちゃのボウリングをしたり、ミニカーや電車を走らせたり。

お父さんはゴルフのパターの練習もできそうですね♪


物を育てたり、趣味のスペースとして活用したりもできますね。


さらにその奥には外につながる出入口もあります!


大開口ですので、大きな荷物出し入れやお客様の出入りにも便利です。
ご近所の方とちょっとおしゃべり。

家庭菜園の野菜を仕分けしておすそ分けなんて光景が浮かんできます。

玄関とはまた違った、気安さや便利さが魅力です。
リビング・ダイニングとの間にもそれぞれ引き戸があるので、冷暖房効率やプライバシーの面も万全です。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、人気の通り土間についてご紹介しました。

通り土間にはたくさんの魅力があり、また多様なパターンがあります。
住まい全体の間取りにどのように取り入れるかは、ライフスティルや価値観、敷地の条件などによりさまざま。
「興味はあるけど具体的なプランが分からない」という方は、ぜひプロにご相談ください。
通り土間を含め、理想のお家づくりをお手伝いいたします。

また、弊社ではモデルハウスや展示場の見学会、無料の間取り相談会などを定期的に行っております。

執筆者/敷島住宅 注文住宅事業本部 設計士
執筆者/敷島住宅 注文住宅事業本部 設計士
注文住宅事業本部の設計士です。
設計士目線と女性目線、両方の角度からプランニングするのが得意です。
「家族が笑顔になれる」家造りを目指しています。
間取りを中心に[Reco.]seriesの様々な情報をお伝えします。
※本記事は、2024年6月7日時点の情報になります。

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