収納家づくりの基礎知識

適正寸法を知って「収納」を考える

住宅が建ったときには適切な収納がされていても、ライフスタイルの変化や子供の成長に伴い物が増えたり、大きくなったりして、使いやすさも変化するものです。
住み続けるうえで、家族の生活スタイルは日々変わっていくので「ずっと使いやすい収納」の形を保つのには限界もあるでしょう。
しかし、家を建てる計画時に「なんとなく収納スペースを確保する」のではなく「収納計画」を立てておくことで、より快適に過ごすことが出来ます。

今回は「収納計画」と「収納の適正寸法」のふたつの観点から、収納について考えてみましょう。

収納計画とは

収納計画は「納めるもの」と「納まる場所」が適切な関係にあることが基本となります。
大きなものは納戸やウォークインクローゼットへ、小さなものは引き出しへ、見せたいものは飾り棚へ・・・などです。
収めるものの大きさや形状にあった寸法のスペースが、適切な場所に配置されていることが大切なポイントになります。

計画というと難しく感じるかもしれませんが、普段の生活でも「タオルはこの棚」「セーターはこの引き出し」と、意識はしていなくても、なんとなく収納場所は自然と決まっているはずですね。
それを改めて紙に書きだして整理してみてもいいかもしれません。
家のどの場所でよく使っているかも把握できればベストですね。

収納スペースの適正寸法

<水平寸法から考える>

新しく家具を購入したあとに「思っていたより服が収まりきらない・・・!」という経験はありませんか。
もちろん家具だけのせいではなく、手持ちの物を改めて整理してみたら想像よりもかさばった・・ということが原因ということもあるとは思いますが・・・。少しでもそのギャップをなくすために、収納棚の一般的な奥行き寸法をご紹介しましょう。

全て奥行の内法(うちのり)寸法
15㎝・・・・文庫本・調味料・化粧品・トイレットペーパー
25㎝・・・・雑誌・ファイル(A4縦)
35㎝・・・・食器・調理器具  <キッチンの吊棚など>
40㎝・・・・下足入れ  <玄関収納など>
45㎝・・・・衣類・バッグ  <整理タンス・和タンスなど>
60㎝・・・・洋服・洋寝具・スーツケース・座布団  <クローゼット・洋服タンスなど>
90㎝・・・・布団  <押入れなど>

「文庫本を見やすく棚の前面に並べると、本の後ろに空洞ができた・・・」

というのは、もったいないことです。きっとスッキリ納まってくれたら、片付ける人にもそこが「文庫本の場所」という認識も高まり、整理整頓もすすむのではないでしょうか。

つい忘れがちな奥行の寸法ですが、少し覚えておくだけで無駄なスペースをなくすことができます。

<垂直寸法から考える>

家の中には物に応じて使いやすく計算された「高さ」があります。
奥行寸法と違うのは、使う人の身長で快適に使用できる高さが少し異なるところです。

とはいえ、家族みんなが使う家で個別設定はできないので、建具の取っ手や窓の高さなどは
一般的に使いやすい高さ寸法で作られ、ご提案をしています。

ただ、特定の人の使用率が高い場所に関しては、使用者が使いやすい高さの造作物や設備、家具を
取り入れることで、より快適になることは間違いありません。
ここでは、「使う人の身長と棚の高さ」の関係を例を挙げてご紹介してみましょう。

身長160㎝の人が造り付け棚を計画する高さの目安とは
物を出し入れできる高さの上限・・・・192㎝(160㎝×1.3)
引き出しの高さの上限・・・・144㎝(160㎝×0.9)
使いやすい棚の高さ・・・・128㎝(160㎝×0.8)
引っ張りやすい高さ(重い引き出しなど)・・・・96㎝(160㎝×0.6)
使いやすい棚の高さの下限・・・・48㎝(160㎝×0.3)

このように身長をもとに、快適に使用できる高さの目安を算出することができます。
子供部屋と大人の寝室では、使いやすい棚の高さが一緒ということはないですよね。
予め知っておくことで、成長に合わせた収納計画をたてることもできるでしょう。

家具を購入する際や造りつけの棚を計画するとき、またシステム収納を取り入れる時に、是非参考になさってくださいね。

まとめ

何を家の中のどの部屋に置いておくのが便利か
部屋のどの位置に収納すればよいのか
物が無駄なくスッキリ納まるスペースが確保されているか
使いやすく片付けやすい高さに置けているか

新築・建替えを検討中の方は全て初めから計画できれば、快適な収納生活がすごせますね。
壁面収納を設けたり、壁にニッチを作るなど、見せる収納はお部屋を華やかにすることができるので是非、取り入れてみてください。
また、これから衣替えをしようと思っている人は断捨離しながら物の収納位置を変えてみる、部屋の模様替えをしようとしている方なら適正寸法の家具を取り入れて見る・・・など、それぞれのライフスタイルに合った収納計画を楽しんでみてくださいね。

※本記事は、2020年5月14日時点の情報になります。

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