間取りの要望を上手に伝えるには?

今回は、住まいづくりのお仕事経験のあるライター、渡部彩子さんの記事をご紹介いたします。

家づくりの基礎知識

間取の要望を上手に伝えるには?

家づくりの初めにすることとしては、間取りと概算見積もりを作成してもらうことですが、間取りの要望を上手に伝えることができるか不安な人もいるでしょう。住宅雑誌などで事前に間取りをみているものの、自分の家では可能なのかどうかもよくわからないというケースも少なくありません。そこで今回は、住宅会社に間取りを上手に伝える方法や完成イメージの伝え方などについてお伝えします。

間取りの要望を上手に伝える方法

間取りの要望を上手に伝えるコツは、要望を整理することです。とはいえ、家族それぞれの希望もありますので、住宅会社に上手に伝わるように順序だててまとめることをおすすめします。

家族の要望を書き出す

最初は家族の要望を、箇条書きなどで書き出します。お父さんやお母さん、子供さんなどそれぞれに新しい住まいの要望があるでしょう。要望がたくさんあってもかまいませんので、とにかく意見を出し合います。

要望の優先順位を決める

家族それぞれの要望を出したら、優先順位を決めていきます。この段階では、あくまで優先順位を決める目的であり、要望を削減する必要はありません。「優先順位1グループ」「優先順位2グループ」など整理をします。

本当に必要なものを決める

優先順位を決めていく中で、改めて考えると必要性が低いと判断できるものは、要望から除いても良いでしょう。優先順位の低いものは、本当に必要かどうか再考します。優先順位を決めていると、間取りに取り入れるべきかどうか、意外と短時間で判断できるようになります。

優先順位を住宅会社に伝える

最終的に優先順位を付けた要望を住宅会社に伝えます。要望についての詳細な質問があれば、自分がイメージできる範囲で答え、明確にイメージできないものは住宅会社に確認をしてみましょう。たとえば、「リビングの近くで勉強できるスペースがあればよいけど、具体的にどの場所がよいかはイメージできない」など、漠然としたものでも大丈夫です。

間取りの要望と完成イメージを伝えることがポイント

間取りの要望を伝えることに加えて重要になってくるのは、完成イメージです。間取りはあくまで「必要な部屋」「必要な用途」などであり、住まいのスタイルなど完成のイメージが伝わっているとは限りません。たとえば、対面キッチンが希望だとしても、キッチンの手元がリビングから見えてもよいのか、出来るだけ隠しておきたいのか、キッチン廻りはタイルを使って清潔感を出したいのか、レンガなどで重厚感を出したいのかなど、完成イメージはそれぞれ異なるのが一般的でしょう。イメージを伝えることは理想の家づくりの重要なポイントになります。

完成のイメージはかならず共有させる

住宅会社とは、完成のイメージを必ず共有しましょう。その際に注意しておきたいのは、「住まいのスタイル」を明確にすることです。

たとえば、住まいのイメージが「和」なのか、「西洋」なのか「モダン」なのかなど、完成イメージは様々あります。自分がイメージする完成形はどのような家なのか、しっかりと伝えましょう。

キッチンとリビングの位置関係や、階段はリビング階段なのか、トイレはどのあたりに配置してほしいかなど、おおよそのイメージを持っておきます。

完成イメージはどれくらい重要度があるか

完成イメージを住宅会社に伝える上で、どのくらいイメージにこだわりがあるか、その重要度を伝えることは大切です。

たとえば、「キッチンを対面式にしたい」という完成イメージがある場合、「絶対に対面キッチンで」なのか、「間取りでうまくいかないときは壁付けキッチンでも可能」なのか、どのくらい重要な要望なのかを伝えておくと、より理想に近い提案を受けことができるでしょう。

お風呂の広さ、リビングの広さ、子供室の広さなど譲れない要望があるときは、しっかりと伝えます。

予算はおおよその目安程度の方がよい

間取りの作成を依頼するときに、住宅会社からおおよその予算を尋ねられることがあります。多くの人はいくらかでも費用は抑えたいと考えますが、最初に伝える予算はあくまで目安として伝える程度がよいでしょう。

なぜなら、あまりにも予算を少なく伝えると、要望を盛り込むことが困難となることがあり、理想的な間取りの提案を受けることができない可能性があるためです。

住宅会社が間取りを作成するには、要望を伺い、おおよその予算を確認します。間取りを作成するなかで、要望を全て盛り込むと予算オーバーになると、最初から要望をセーブしてしまう可能性もないとはいえません。

予算の調整は間取りの提案を受けてからでも可能ですので、最初は要望を全て満たしたときには、どのくらいの費用がかかるのか理解しておくためにも、住宅会社に伝える予算は、「目安」としておくことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか。今回は、間取りの要望を上手に伝える方法などについてお伝えしました。間取りは普段の生活動線にも影響がある重要な部分です。また、住まいのスタイルによっても間取りの配置が換わることがありますので、依頼をする際には、事前にイメージをまとめておくと安心です。もしも伝わるか不安なときは、もっともイメージに近い雑誌や写真など、説明しやすい資料を準備しておくと、より明確に伝わりやすくなりますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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執筆者/渡部彩子
執筆者/渡部彩子
住まいづくりの仕事に従事していた経験から、施主さんにとって身近な疑問の解決や永く愛せる家づくりのヒントになれるような発信を心がけています。
※本記事は、2019年4月8日時点の情報になります。

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