住宅の完成イメージができないときの方法は?

今回は、住まいづくりのお仕事経験のあるライター、渡部彩子さんの記事をご紹介いたします。

家づくりの基礎知識

住宅が完成したときのイメージが出来ないときの方法とは?

家づくりを進める中で、間取りプランや外観デザインを提示されても、「完成イメージができない」と感じている人が多いのではないでしょうか。平面図だと立体的なカタチが想像できなかったり、部屋の広さもよくわからないという人もいるかもしれません。今回は、住宅が完成したときのイメージが出来ないときにはどうすれば良いか、その方法などについて紹介します。

完成イメージができにくい部分とは?

家づくりの過程で、完成のイメージができにくい部分とは、次のようなところが考えられます。

外観の完成イメージ

間取とともに、外観のイメージの提案をしてもらいますが、紙面の上では平面的に表現されているため、東西南北からの見え方が作図されていてもイメージができないことが多いかもしれません。

部屋の広さ

間取り図では、各部屋の広さが畳数で記載されてますが、どの程度の広さなのかをイメージするのが難しい場合があります。家具を置くとどの程度スペースにゆとりがあるか、暮らし始めてからの想像力が必要になりますね。

天井の高さ

天井の高さは意外と見落としがちですが、特に2階が屋根の形状を生かした設計になっている場合に、しっかりとイメージしておきたい部分です。「こんなイメージじゃなかった」となるケースもあります。

生活動線のイメージ

生活動線は、間取り図を見ながら、実際に暮らしているかのように家の中を歩くイメージをしますが、部屋から部屋への移動をしたり、ドアを開けたりというひとつひとつの動作も含めることで、よりリアルに近い動線が想定できます。部屋の広さのイメージができないときには、動線の動きもできにくいかもしれません。

住まいの機能性

生活動線と似ている部分ですが、歩くという動作の他に、「洗濯をして干す」「掃除機をかける」など作業をしながら行うことも想定できると、この間取りが生活しやすい間取りなのかどうかを判断することができます。しかし、戸建てで暮らすのが初めての場合、2階、3階建ての建物の中で、普段どのように動くのかをイメージするのが難しい場合があります。

住宅の完成イメージが出来ない時の方法

完成イメージが出来ないときには、どのような方法でイメージをすればよいか、いくつかの例を紹介します。

住宅展示場を見る

住宅展示場で部屋の広さ、天井の高さ、機能性などを体感することができます。平面的な提案書で一生懸命イメージを膨らませるよりも、実物大の建物を見る方がよりイメージがしやすいでしょう。

自分に提案された住宅と展示場の住宅では、違う部分もありますが、動き方や使い勝手なども含めて「自分の家の場合は・・・・・・」と想定して確認しましょう。

模型をつくる

外観デザインでイメージが湧かない時は、模型の作成を依頼する方法があります。実物大ではありませんが、360度いろいろな見え方を確認することができます。住宅の第一印象や、窓の配置など平面図だけではイメージできない部分も、わかりやすいでしょう。

知人の家でイメージ

住宅展示場は、グレードの高い仕様で広く設計されていることが多く「自分の家とは違い過ぎる」という場合は、同じような家族構成の友人、知人の家を拝見させてもらう方法があります。

同じ家族構成であれば、間取りなども似ているケースがあり、身近な事例として参考になる可能性が高いですね。また、友人、知人に住んでからの感想なども聞いておくとよいかもしれません。ただし、家を建てた人の感想は、あくまでその家族の暮らし方の意見ですので、参考程度に留めておきましょう。

納得できない箇所は曖昧にしないことが大事

間取の提案を受けて、自分たちでイメージできないことがある場合は、「曖昧にしない」とこが大切です。住宅会社から説明を受けても、自分が納得のできるイメージまで想像できず、「まあいいか」と流してしまうと、「イメージとは全く違うものが完成した」というケースも少なくありません。

完成してからでは、そうそう簡単に修繕できるものではないこともありますので、最終的な間取り、外観の決定は、十分に納得できるまで打ち合わせをしましょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は、住宅の完成イメージが出来ないときには、どのような方法があるか、一例を紹介しました。平面的な提案書から空間イメージを想像するのは簡単ではありません。実際、プロであっても自分なりの方法で工夫しながら立体イメージを作り出していることが多いでしょう。完成したあとで「イメージと違う」と後悔しないためにも、しっかりと納得できるまであきらめずに確認することをおすすめします。安易に「きっとこうだよね」と流してしまわないように進めていきましょう。

執筆者/渡部彩子
執筆者/渡部彩子
住まいづくりの仕事に従事していた経験から、施主さんにとって身近な疑問の解決や永く愛せる家づくりのヒントになれるような発信を心がけています。
※本記事は、2019年4月19日時点の情報になります。

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