今回は、住まいづくりのお仕事経験のあるライター、渡部彩子さんの記事をご紹介いたします。

間取り

親と同居の時の間取りポイント

家を新築するタイミングで、親との同居をする人も少なくないでしょう。同居をするときには、どんな間取りがよいのか、なんとなくのイメージだけでは解説できないことも多く、不安に感じている人もいるかもしれません。そこで今回は、親と同居するときに気を付けたいことや、間取りを検討する際のポイントなどについてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

親と同居するときに気をつけること

新築のときに親と同居するケースでは、1人親と2人親(両親)とで、間取りの考え方も変わり、気をつけるべきポイントも違ってきます。ここでは、2人親(両親)と同居するケースでご紹介していきましょう。

玄関を別にするか一緒にするか

親と同居する場合は、玄関を別にするか、一緒にするか方向性を検討します。しかし、玄関が別になるとはいえ、室内では空間を共有するというケースは多いでしょう。別々の玄関は、お互いのプライバシーを確保することができますが、玄関スペースが二つ必要になること、玄関ドアが二つ必要になることなど、建築費にも直接的に影響がありますので、予算と合わせて検討しておきたい部分ですね。

階段をどこに配置するか

玄関が別々でも一緒でも、階段を間取りのどの位置に配置するかは、同居するときの暮らし方をイメージして考えることが大切です。親と同居する場合、一般的には、1階に親世帯、2階に若夫婦世帯が暮らす場合や、リビングや水廻りは1階で共有しつつ、個室だけを1階と2階に分ける場合が多いでしょう。

階段がどこの位置にあれば、ストレスなく暮らすことができるのか、しっかりとシミュレーションをすることがポイントです。オープンな暮らし方が理想的なのか、家族それぞれが独立した暮らしが理想的なのか、それぞれの家族の生活スタイルを確認しておきましょう。

親世帯のスペースはどのくらいか

親世帯の居住スペースをどのくらい確保するかは、家全体の建築面積にも影響するため、間取りを考えるさいには、じっくりと検討を重ねましょう。安易に狭くすると、荷物が十分に収納できなかったり、タンスなどの家具が収まらなかったりなどの問題が出る可能性があります。現実的に必要な広さを確保していきましょう。

同居のときの間取りポイント

親と同居するときに考える間取りでは、家族同士の生活動線を考えることが大切です。どのような部分がポイントなのか紹介していきましょう。

親世帯の居住スペースは水廻りの近くに

基本的な方向性としては、親世帯の部屋から、お風呂やトイレなど水廻りが近い方が良いでしょう。特にトイレに関しては、夜中に利用することもあれば、将来的に歩くことに不安がでてきたときに、近い場所にあると便利です。

また、お風呂や洗面所を利用するときに、リビングなどを経由せずに、親世帯の個室から直接移動できると、リビングに来客がある場合でも、遠慮なく水廻りを使うことができますね。

親世帯とリビングはほどよい距離感で

親世帯の寝室と、家族が集まるリビングとは、ほどよく距離感があることが理想的です。就寝時間や起床時間が違うこともありますので、できるだけ音漏れが少ない方が良いでしょう。

とはいえ、音漏れのリスクを優先して、生活動線がよくない場所に親世帯の個室を設けることは避けたいことです。もしリビングに近い場所に親世帯の個室を配置しなければならいときは、個室への入口をリビングから遠い位置にする方法もあります。

将来的には夫婦寝室として利用することも

親世帯の居住スペースは、もしかしたら将来的に、若夫婦の寝室として利用することもあるでしょう。若夫婦が1階を利用することも想定しながら、広さや配置場所などを検討していきたいですね。

2階の音が気になるなら防音対策を

1階に親世帯の寝室などを配置する場合、その真上にあたる部屋はできるだけ「静かな環境」が望ましいでしょう。

親世帯が高齢者の場合、就寝時間は早いことが考えられます。遊具などで音を出して遊んでいると、階下に音が響くことがあり、就寝を妨げる恐れがあります。間取りのバランスとして、どうしても音漏れが避けられない場合は、防音対策を施すなど、構造体から対策をすることも方法のひとつです。

まとめ

いかがでしたか。今回は親と同居の場合について、気を付けたいことや間取りのポイントなどをお伝えしました。それぞれの居住空間を充実させたいとは考えていても、不用意に面積が増えていくと、建築費用の負担も大きくなります。お互いの要望をバランスよく取り入れられるように、しっかりと話し合いをして進めて行きたいですね。

執筆者/渡部彩子
執筆者/渡部彩子
住まいづくりの仕事に従事していた経験から、施主さんにとって身近な疑問の解決や永く愛せる家づくりのヒントになれるような発信を心がけています。
※本記事は、2019年6月28日時点の情報になります。

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