今回は、住まいづくりのお仕事経験のあるライター、渡部彩子さんの記事をご紹介いたします。
家づくりの費用が予算オーバーになったらどうする?
2019年4月12日
家づくりの見積りをみたら「予算オーバーになってしまった!」ということも少なくありません。「理想の家が建てられないの?」と不安になるかもしれませんが、多くの人が経験していることであり、予算を削減する方法もあります。今回は、予算オーバーになる要因や予算の削減方法などについて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
家づくりの費用が予算オーバーになる理由とは
家づくりに必要な見積りを提示されたとき、予算オーバーとなってしまう理由には、次のような要因が考えられます。
要望が多い
最初の見積りは、住まいに対する要望をたくさん伝えることが多いため、要望を全て網羅したプランニングにすると、建築費などが高くなることがあります。要望が多いために予算オーバーになっているなら、削減できる可能性は高いでしょう。
住宅のグレードが高い
石やレンガなど、住まいの仕上げ素材にグレードの高い素材を使うと、建築費が高くなりやすいですね。また、バスルームやキッチンなどの住宅設備をハイグレードなものにする場合も、家づくり全体として予算オーバーになることがあります。
外観デザインなどこだわりがある
外観のデザインは、見た目の素材だけではなく「形」でも印象が左右されます。その分、重要な要素ではあるのですが、凸凹が多い、円形の箇所がある、コの字型であるなど複雑な形状の外観の場合、外壁面積が多くなったり、材料が割増しになったりと、建築費用はかかりやすくなります。
住宅面積が大きい
単純に坪数が大きな住宅は、当然に建築費がかかります。広さにゆとりを持たせることは理想的ですが、全体として坪数が大きくなることがあります。
予算オーバーになったときに出来る事
予算オーバーになったからといって、全ての要望をあきらめなければならないというわけではありません。予算削減のために見直しできるポイントを紹介します。
優先順位を付けて無駄をなくす
要望の優先順位を考えて、無駄な部分を省いていくと、意外とシンプルな住まいに近づいていきます。最初の間取りプランでは、要望をたくさん伝えることが多く、様々な要素を盛り込むことで予算も膨らみがちです。
もちろん、要望を盛り込むことはよいことで、その上で何度も見直しをしながら、暮らしやすいプランを予算内で実現するために何度も「これでいいのか?本当に必要な部分か?」と熟考していくことが大切です。
住宅仕様を見直す
住宅設備や住宅の仕様のグレードを見直すことで、予算の削減につながります。住宅設備に関しては、ユニットバスやキッチンなどのグレードやオプションなどを再検討して、削減できる部分は省きましょう。
また、住宅の外壁や床などの仕様グレードを見直すことも、予算の削減には有効です。たとえば、レンガや石材などの素材を左官壁またはサイディング張りにする、床の樹種を安価なものに変えるなど、許容できる範囲内での工夫が良いですね。
効率の良い住宅デザインを検討
外観デザインは、シンプルなほど建築費コストが抑えられる傾向があります。もっと詳しく説明すると、木材が外壁材などの標準寸法に沿った造りに近いほど、無駄が少なくなります。
たとえば、90cmが標準寸法の木材を2本使うと180cmですが、190cm必要な寸法にすると、3本必要になることと、あまりになる部分は処分しなければならなくなります。全てを標準寸法に合わせるまでは必要ないことですが、コストダウンの方法としては有効です。
また、外観デザインが複雑な形をしているなら、イメージが損なわれない程度に、再検討をしてみてもよいでしょう。
住宅面積を小さくする
住宅の坪数を削減することは、予算オーバーの際に最初に検討されることではないでしょうか。たとえば、8畳の和室を希望していたけど、6畳でも利用できそうだからと見直すなど、少しゆとりを持って考えていた部屋や、趣味の部屋など一般的な間取りにプラスαしている部屋などを見直しすることをおすすめします。
予算を削減するときに注意すべきこと
予算オーバーになったとき、いろいろな削減方法を検討することになりますが、注意しておきたいことは、「安易に削減しすぎない」ことです。たとえば、キッチンのグレードを見直す際にも、著しく機能が低下したり、長持ちできなかったりする見直しはおすすめしません。
また、住宅の坪数を削減することは、予算削減にもっとも有効かもしれませんが、これもある程度許容範囲に留めておかないと、実際に暮らしてみてから後悔してしまう例が少なくありません。
予算を削減する方法については、住宅会社に弊害がないかをしっかりと確認し、双方が納得できる方法で見直しすることが大切です。
まとめ
今回は、家づくりの予算がオーバーする要因や、予算の削減方法についてお伝えしました。間取りの見直しや設備のグレードを見直すなど様々な方法がありましたが、建てた後から「後悔しない」選択ができるように、家族や住宅会社としっかり検討して理想の住まいづくりにしましょう。
- 住まいづくりの仕事に従事していた経験から、施主さんにとって身近な疑問の解決や永く愛せる家づくりのヒントになれるような発信を心がけています。
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